医療・福祉・介護系の人材紹介会社はある程度クローズな世界だ。大手の紹介会社は参入しておらず、小規模な会社や個人など医療系に特化した人材紹介業者が活躍している。
これは不思議な現象に感じる。なぜ大手の人材紹介会社は参入してこないのだろうか。実際に医療系の紹介業は、その将来性から考えると十分に魅力的なマーケットと言えるはずなのに。
ひとつ考えられることとしては、単価の低さがある。医療系の紹介単価は50〜100万の手数料が中心。紹介手数料率も15%が平均。一方、大手の総合型の紹介会社での単価は、一人紹介して200万、300万というケースが多い。手数料率は30〜35%などと高い。この単価の小ささが大手を参入させない要因のひとつになっている。
また、紹介業務の性質的な点もある。大手の人材紹介会社の自負として、「転職支援」を「コンサルティング」で行っているという意識がある。つまり、医療系の紹介業は、どちらかというと右から左へ、というイメージがあるということだ。実際、看護師や薬剤師などはある程度のスペックがあれば転職はさほど難しくないという点でこれは言えなくもない。
ただこれらの懸念や問題点はあるが、時間の問題で参入してくることは間違いない。マーケットが伸び悩み、売上が頭打ちになった企業は当然別マーケットに同じビジネスモデルでスライドしてくるからだ。大手はもちろんのこと、中堅など大手にやられっぱなしで人材が集まらない企業がマーケットを医療系にスライドすることは考えられる。
またもうひとつ参入を加速すると思われるのは、医療系人材の回転の速さだ。総合型の紹介会社がターゲットとしている人材と比較し、スキルが均一化し、超売り手市場ということもあり、転職のペースはとても早い。そして今後も早くなる。そうなると当然紹介手数料も単価は小さくても回転でカバーできる、もしくはそれ以上になるということが考えられる。この事実を認識したときに、参入しない決断を下すのは考えにくい。
このように、いくつかの要因で総合型の人材紹介会社が医療マーケット、つまり病院などをターゲットとしたマーケットに入ってくる日はそう遠くはないだろう。紹介会社のM&Aも今後増えてくるかもしれない。
今のところ大きな動きは見られないが、大手紹介会社の担当者のニーズを聞くと、そう遠くもないように思われる。今後の動きを見続けたい。
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